札幌買取トラブル事例と対策|押し買い被害を防ぐ方法

「貴金属を高く買い取ります」という訪問業者に、大切な形見の指輪を安値で買い取られてしまった…。
札幌でも、このような買取トラブルが後を絶ちません。
特に高齢者を狙った「押し買い」の被害が増加しており、消費生活センターへの相談件数も年々増えています。
本記事では、札幌で実際に発生した買取トラブルの事例と、被害を防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。
札幌の買取トラブル発生状況
札幌市消費者センターへの買取に関する相談件数は、近年増加傾向にあります。
相談の傾向
被害者の年齢層
- 60代以上:全体の約65%
- 特に70代女性の被害が多い
- 一人暮らしの高齢者が狙われやすい
相談が多い時間帯
- 平日の昼間(10時〜15時)
- 家族が不在の時間帯
相談内容の内訳
- 押し買い:45%
- 強引な買取:25%
- 査定額のトラブル:15%
- 契約後のトラブル:10%
- その他:5%
札幌で多いトラブルの特徴
地域性
- 戸建て住宅地が狙われやすい
- 高齢者が多い地域
- 新興住宅地よりも古い住宅地
季節性
- 春・秋の訪問販売が増加する時期
- 年末年始も注意が必要
よくある買取トラブル事例

札幌で実際に発生したトラブル事例をご紹介します。
事例1:貴金属の押し買い被害
トラブルの経緯
- 「不要な貴金属を高価買取します」とチラシが投函された
- 電話で問い合わせたところ、即日訪問された
- 「古い着物を見せてほしい」と言われ、タンスを開けた
- 「こちらの指輪も価値があります」と祖母の形見を出された
- 「今なら高く買い取れる」と急かされ、3点で5,000円と提示
- 断ろうとしたが、「せっかく来たのに」と居座られた
- 根負けして売却したが、後で調べると相場の1/10だった
ポイント 着物の査定を装い、貴金属を狙う典型的な手口。
事例2:ブランド品の不当な低価格買取
トラブルの経緯
- ネットで見つけた買取店に、ブランドバッグの査定依頼
- 「状態が悪い」「偽物の可能性がある」と極端に低い査定額
- 他店で再査定したところ、本物で状態も良いと判明
- 当初の店に問い合わせたが、「査定基準の違い」と説明
ポイント 不安を煽って安く買い叩こうとする手口。
事例3:出張買取での強引な勧誘
トラブルの経緯
- ポスティングのチラシを見て出張買取を依頼
- 時計1点の査定を依頼したはずが、家中の物を見せるよう要求
- 「これも、あれも」と次々に査定
- 玄関先で2時間以上居座られた
- 疲労と恐怖で、売るつもりのなかった遺品も売却してしまった
ポイント 高齢者の疲労や判断力低下を利用した悪質な手口。
事例4:宅配買取での連絡不通
トラブルの経緯
- ネットの宅配買取サービスに申し込み
- 高級腕時計を送付
- 2週間経っても査定結果の連絡なし
- 電話しても繋がらず、メールも返信なし
- 会社の所在地を訪ねたが、オフィスが存在しなかった
ポイント 実態のない業者による詐欺的行為。
事例5:キャンセル料の不当請求
トラブルの経緯
- 出張買取を依頼し、査定を受けた
- 提示額に納得できず、キャンセルを申し出た
- 「出張費とキャンセル料で2万円」と請求された
- 「無料出張査定」と広告にあったことを指摘
- 業者は「細かい規約に書いてある」と主張
ポイント 事前説明のない料金請求。
押し買いとは?法的定義と規制
押し買いの定義
押し買い(訪問購入)
業者が消費者の自宅等を訪問し、貴金属などの物品を強引に、または不当に安い価格で買い取る行為。
特定商取引法による規制
2013年2月の法改正により、訪問購入が規制対象に追加されました。
押し買い業者の義務
事前の明示義務
- 業者名、担当者名
- 訪問目的(買取)
- 買取対象物
書面交付義務
- 買取契約書の交付
- クーリングオフの説明
禁止行為
- 不実告知(嘘をつくこと)
- 威迫・困惑(脅す、困らせる)
- 不退去(帰らない)
- 再勧誘の禁止
消費者の権利
クーリングオフ
契約から8日以内なら無条件で契約解除可能。
物品の引き渡し拒否
クーリングオフ期間中は、物品を業者に引き渡す必要がない。
悪質業者の見分け方【10のチェックポイント】
以下の項目に当てはまる業者は要注意です。
1. 突然の訪問・電話
危険なパターン
- アポイントなしで突然訪問
- 「近所で買取をしているので」と言って訪問
- 「たまたま通りかかった」
対策 事前に約束していない業者は、基本的に断る。
2. 曖昧な業者情報
危険なサイン
- 会社名を明確に名乗らない
- 名刺を渡さない
- 連絡先が携帯電話のみ
対策 古物商許可証の提示を求める。
3. 強引な交渉
危険な言動
- 「今すぐ決めないと損」
- 「他の人には言わないで」
- 断っても帰らない
対策 毅然と断り、必要なら警察に通報。
4. 査定理由の説明がない
危険なパターン
- 「これは価値がない」と一方的
- 査定根拠を聞いても答えない
- 相場を教えてくれない
対策 複数業者で査定を受ける。
5. 当初の目的と異なる買取
危険な行為
- 「着物を見せて」→貴金属を要求
- 「不用品なんでも」→貴金属だけ狙う
- 家中を物色しようとする
対策 査定対象外の物は見せない。
6. 極端に安い査定額
危険なサイン
- 相場の1/10以下の提示
- 「これは偽物かも」と不安を煽る
- 「状態が悪い」と過度に指摘
対策 事前に相場を調べておく。
7. 現金即払いを強調
危険な勧誘
- 「今すぐ現金」を過度にアピール
- 「税務署にバレない」などの発言
- 領収書を出さない
対策 正規の買取店は必ず書面を発行する。
8. クーリングオフの説明がない
危険な対応
- クーリングオフについて触れない
- 契約書を渡さない
- 「キャンセル不可」と言う
対策 書面交付は法律で義務付けられている。
9. 個人情報の過度な要求
危険な質問
- 家族構成を詳しく聞く
- 貯金額を聞く
- 他の貴重品の有無を聞く
対策 必要最低限の情報以外は答えない。
10. 口コミ・評判が悪い
危険な兆候
- ネット検索で悪評が多い
- 消費生活センターに相談事例がある
- 知人から悪い評判を聞いた
対策 事前に業者の評判を調べる。
被害を防ぐための10の対策
1. アポなし訪問は絶対に断る
基本ルール
- 突然の訪問業者は、ドアを開けない
- インターホン越しに断る
- 「家族に相談します」と言って断る
2. 一人で対応しない
対策
- 家族や友人に同席してもらう
- 無理なら電話で繋いでおく
- 近隣の人に声をかけておく
3. 古物商許可証を確認
確認項目
- 許可証番号
- 公安委員会名(北海道公安委員会)
- 有効期限
確認方法 「古物商許可証を見せてください」と依頼。拒否する業者は悪質。
4. 事前に相場を調べる
調べ方
- インターネットで相場検索
- 複数の買取店で事前査定
- オークションの落札価格を確認
5. 査定は玄関先で
理由 家の中に入れると、他の物を要求されやすい。
対応
- 査定品のみ玄関先に出す
- タンスや金庫は開けない
- 「他の物はない」と明確に断る
6. その場で決めない
冷静な判断のために
- 「家族と相談してから」
- 「他の業者でも査定を受けてから」
- 即決を求める業者は断る
7. 契約書をしっかり確認
確認ポイント
- 業者の情報(会社名、住所、電話番号、許可番号)
- 買取品の詳細
- 買取価格
- クーリングオフの記載
注意 記載がない契約書にはサインしない。
8. 録音・録画する
効果
- トラブル時の証拠になる
- 悪質業者の抑止力
方法
- スマートフォンで録音
- 「録音しています」と伝えるのも効果的
9. すぐに手放さない
クーリングオフ期間の活用
- 契約後すぐに物品を渡さない
- 8日間は手元に置く権利がある
- 冷静に考える時間を確保
10. 周囲に相談する
相談先
- 家族
- 友人
- 消費生活センター
- 警察(悪質な場合)
トラブルに遭ってしまったら【対処法】
1. クーリングオフを行使する
手順
STEP 1:8日以内に通知
契約日を含めて8日以内にクーリングオフの意思表示。
STEP 2:書面で通知
- はがきまたは内容証明郵便
- 両面コピーを取る
- 特定記録郵便または内容証明で送付
STEP 3:品物の返還要求
業者が品物を持ち去っている場合、無償で返還を求める。
クーリングオフ通知の書き方
契約解除通知書
契約日:令和〇年〇月〇日
契約内容:貴金属の買取
業者名:〇〇株式会社
上記契約を、特定商取引法第58条の14に基づき、解除します。
つきましては、売却した品物の返還を請求します。
令和〇年〇月〇日
住所:〇〇〇
氏名:〇〇〇〇 印2. 消費生活センターに相談
札幌市消費者センター
- 電話:011-728-2121
- 住所:札幌市中央区北3条西3丁目 札幌駅前ビル9階
- 相談時間:月〜金 9:00〜16:30
消費者ホットライン
- 電話:188(いやや!)
- 全国共通、最寄りの消費生活センターに繋がる
3. 警察に相談
相談すべきケース
- 脅迫された
- 暴力を受けた
- 詐欺の疑いがある
- 不退去(帰ってくれない)
連絡先
- 緊急:110番
- 相談:警察相談専用電話 #9110
- 札幌方面本部:011-242-0110
4. 弁護士に相談
相談すべきケース
- 返金に応じない
- クーリングオフを妨害される
- 訴訟が必要な場合
5. 証拠を保全する
保全すべき証拠
- 契約書、買取明細書
- 業者の名刺
- チラシ、広告
- やり取りの録音・録画
- 防犯カメラの映像
信頼できる買取店の特徴
悪質業者との対比として、信頼できる買取店の特徴をご紹介します。
安心できる買取店のポイント
1. 店舗が実在する
- 実店舗を構えている
- 住所が明確
- 看板がある
2. 許可証が掲示されている
- 古物商許可証が店内に掲示
- 許可番号がホームページに記載
3. 丁寧な説明
- 査定理由を詳しく説明
- 質問に的確に答える
- 相場情報を提示
4. 書面をきちんと発行
- 査定書
- 買取契約書
- 領収書
5. 無理な勧誘をしない
- 即決を強要しない
- 「検討します」を尊重
- キャンセルを快く受け入れる
6. 口コミ・評判が良い
- ネットで好評
- 知人の紹介
- 業界団体加盟
7. 明確な料金体系
- 出張費、査定費が無料と明記
- 追加料金の説明がある
- キャンセル料がかからない
8. プライバシー保護
- 個人情報の取り扱いが適切
- 必要以上の情報を聞かない
- 秘密保持を約束
高齢者の家族ができる予防策
高齢の家族を押し買いから守るために、できることがあります。
家族がすべき5つのこと
1. 日常的なコミュニケーション
- 定期的に連絡を取る
- 訪問する
- 変わったことがないか確認
2. 注意喚起
- 押し買いの手口を説明
- 「知らない業者には対応しない」と約束
- トラブル事例を共有
3. 物理的な対策
- 訪問業者お断りステッカーを貼る
- インターホンにカメラを設置
- 玄関チェーンをかける習慣
4. 緊急連絡先を分かりやすく
- 家族の電話番号を目立つ場所に
- 消費生活センターの番号を貼る
- 警察の番号も記載
5. 貴重品の把握
- どんな貴重品があるか把握
- 写真を撮っておく
- 売却する場合は相談してもらう
札幌市の取り組み
札幌市では、押し買い被害防止のため、様々な取り組みを行っています。
消費者教育・啓発活動
出前講座
町内会や高齢者施設で、消費者トラブル防止の講座を実施。
啓発資料の配布
リーフレット、ポスターを作成し、公共施設に配布。
ホームページでの情報発信
最新のトラブル事例と対策を公開。
業者への指導・取締り
悪質業者への行政指導
特定商取引法違反の業者に指導・処分。
警察との連携
悪質性が高い場合、警察と連携して取り締まり。
よくある質問
Q1. クーリングオフは必ずできますか?
はい、訪問購入の場合、8日以内なら無条件でクーリングオフできます。ただし、自分から店舗に持ち込んだ場合は対象外です。
Q2. すでに品物を渡してしまいましたが、取り戻せますか?
はい、クーリングオフ期間内なら、業者に返還を求めることができます。応じない場合は消費生活センターや警察に相談してください。
Q3. 契約書をもらっていません。どうすればいいですか?
契約書の交付は法律で義務付けられています。すぐに業者に請求し、応じない場合は消費生活センターに相談してください。
Q4. 「古物商許可証がある」と言われましたが、見せてもらえませんでした。
許可証の提示を拒否する業者は信用できません。取引を中止し、消費生活センターに相談してください。
Q5. 家族が押し買い被害に遭いました。代わりにクーリングオフできますか?
はい、家族や代理人がクーリングオフ手続きを行うことができます。ただし、本人の意思確認は必要です。
Q6. 「査定だけ」と言ったのに、強引に買い取られました。
これは明確な違法行為です。すぐにクーリングオフを行使し、警察と消費生活センターに相談してください。
まとめ
押し買い被害を防ぐためには、知識と警戒心が重要です。
被害防止の鉄則
絶対に守ること
- アポなし訪問は断る
- 一人で対応しない
- その場で決めない
- 古物商許可証を確認
- 契約書をしっかり確認
トラブル時の対応
すぐに行動
- クーリングオフを行使(8日以内)
- 消費生活センターに相談
- 警察に相談(悪質な場合)
- 証拠を保全
信頼できる買取店を選ぶ
チェックポイント
- 実店舗がある
- 古物商許可証を持っている
- 丁寧な説明をする
- 無理な勧誘をしない
- 口コミ・評判が良い
最後に
買取トラブルは、知識と注意で防げます。少しでも不安を感じたら、家族や専門機関に相談することが大切です。
また、信頼できる買取店を選ぶことで、安心して取引ができます。
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📝 丁寧な説明と明確な契約書
私たちの約束
- ✅ 古物商許可証の提示
- ✅ 査定理由の丁寧な説明
- ✅ 強引な買取は一切しません
- ✅ クーリングオフ制度の説明
- ✅ お客様の納得を最優先
📞 相談窓口一覧
札幌市消費者センター 電話:011-728-2121 相談時間:月〜金 9:00〜16:30
消費者ホットライン 電話:188(いやや!)
警察相談専用電話 電話:#9110
法テラス札幌 電話:0570-078374